今回は以前お伝えした眼科クリニックの新装開院工事です。

現地調査のあと、建築屋さん、空調設備屋さん、給排水設備屋さん、医療機器の代理店さん、LANなどのネットワーク屋さん、防災設備屋さんなど、各業者さんが必要な電源やコンセントの容量、設置位置を確認し、お施主さんと照明プランを打ち合わせ、それらをまとめて図面化しました。
相手が話した内容以上の情報を引き出すことが出来ればお互いに理解が深まって現場がスムーズに進みます。

青い電線はLANケーブルです。
壁も天井もすべて解体されて何もない状態から配線をするのでやりやすいですね。これが使っている状態だったりするととても大変なわけです。
S君、カメラから逃げたけど残念、写ってます。

今回、LANの仕様はCat6Aというものです。

私、LANの通信規格やプロトコルについて専門ではありませんので、以下、電気屋として関わるうえで雑学的なことをつらつらと。

カテゴリーの違いは通信速度と伝送帯域と耐ノイズ性で、道路に例えると、通信速度は最高速度、伝送帯域は道路の車線数、ノイズは道路の凹凸といったところです。

Cat5eとCat6の通信速度は1Gbpsで同じですが、伝送帯域はCat5eが100MHz、Cat6が250MHzとなっていて、より多くのデータをやり取りできます。
Cat6AやCat7はより高速になりますが、Cat6Aはモジュラジャックが大きく隠蔽配線が少し大変ですし、Cat7はUTPケーブルではなくシールドがあるSTPケーブルなのでシールドアースが必要になります。
ここでいうアースは感電防止のためではなく信号品質向上のためのものなので、アースの取り方によっては逆にノイズが乗ることもあり、Cat7は現状オフィスの幹線くらいで家庭用では一般的ではありません。

昨今普及しているインターネット回線は1Gbps以上ですが、一般家庭で一番普及しているのはCat5eです。
引込からパソコンやタブレットまでを考えても、一般家庭ではONUまでは光ケーブルなので触れることはないですし、ONUやルーター以降も無線LANが多いのでケーブルの規格についてあまり考えることもありません。実速度も様々な要因でONUの時点で下がっているので、まだCat5eで対応できています。でも家族バラバラでNetflixやAmazon Primeを見るような時代もすぐですから、今後はより上位のCat6を検討した方がいいですね。

あと、NASサーバーがSSD化しないのは、LAN環境で通信速度が落ちるのでSSDに無してもメリットが少ないからなので、ということはローカル環境を高速化するという意味ではCat6は有効かもしれません。

開院は8月とのこと。

これから暑い時期ですが、怪我無く無事開院まで頑張りましょう。