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施工現場雑記 2026.9.07

先日某現場で高圧ケーブル(6,600V)を撤去しました。
写真はそのケーブルの引込点側(PAS)の端末部です。

その前に、高圧ケーブルの構造は下の写真のようになってます。

高電圧が流れる導体には100Vでは起きないような電界が発生するので、高圧ケーブルも銅遮蔽テープ(シールド)を使用して電界を抑える構造になっています。銅遮蔽テープを接続のために剥ぐとその部分に電界が集中してしまい、絶縁破壊や漏電、短絡事故のリスクが高くなるので、端末処理という施工を行って電界を分散させています。
当然ビニルシースも端末処理によって絶縁・防水処理されているはずですが、撤去したケーブルは下の写真のようにビニルシースが5cmくらいズレて遮蔽層が露出し、絶縁テープもだらしなく伸びている状態に。

これはシュリンクバック現象と言い、気温の変化でケーブルの膨張と収縮が繰り返され、それによりビニルシースがケーブル中央に向かって縮んでしまうことで起こる現象です。最大要因はケーブル製造時にシースに応力が残るからで、特にポリエチレン系シースを使用するエコケーブルに起きやすくなります。
この状態ではビニルシースと内側に雨水が入って銅遮蔽テープが腐食したり、シースの収縮によって負荷が掛かって銅遮蔽テープが破断したり、そのうち腐食部や破断部に電界が集中したり、誘導電圧が発生したりして地絡や絶縁破壊が起こります。
| 後輩 | 「先輩!遮蔽テープが切れたらどうなるっすか!?触ると感電するっすか!?」 |
| 先輩 | 「切れたらケーブルの表面に3,800Vくらい電圧かかるんだよ。誘導電圧だから死ぬか知らんけど事故になるよな」 |
| 後輩 | 「さすが先輩なんでも知ってんすね!」 |
| 先輩 | 「高圧になると電界とか電磁とか静電とかなんとか誘導ってのが起きるんだよな。知らんけど」 |
| 後輩 | 「先輩の脳ミソってAIみたいっす!!」 |
ということで、三相3線式6,600Vが流れる高圧ケーブルの対地電圧は3,810Vで、遮蔽テープが切れた(接地が外れた)状態になると、ケーブル表面に発生する誘導電圧は導体(芯線)から極めて近いためほぼ導体の電圧と同じになります。
シュリンクバック現象を防ぐためにはケーブル側の対策は難しいようで、シュリンクバック対策用端末処理材を使うか、シースストッパーを使うかということになります。
電気の安全は電界という見えない現象や、経年による樹脂製品の変化など、竣工時に良いだけじゃダメなんだなと。
本質的な安全を大事にしていこうと思います。
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