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施工現場雑記 2025.5.30
5月後半は昨年も書いた某病院の年次点検用仮設電源工事がありました。
去年は屋内配線の写真でしたが、今年は発電機の写真になります。
過去記事:病院の年次点検用仮設電源工事
電気が無いところでの仕事や停電工事の際に、皆様「仮設発電機用意して」って簡単に言いますが、実際は機器の選定に結構気をつかいます。
三相45kVAと書かれている発電機を用意しても、まず60Hzでの45kVAですから、関東地方の50Hzで使うとエンジン回転数を下げるため出力も必然的に下がります。60Hzは1800回転、50Hzは1500回転、エンジンの出力はトルク×回転数ですから、およそ1500/1800と83%にまで下がり、45kVAが37.5kVAになってしまいます。(300回転差でトルクの変動が無いとして)
「先輩!それマジっすか!」
「昔車好きの先輩が“馬力はトルク×回転数で、馬力は最高速”って言ってたからな」
「先輩の先輩って、えーっ!ちょー先輩じゃないっすか!!」
「馬力を稼ぐにはトルクを下げずに回転数を上げるってことだ」
「先輩やっぱアタマいっすねー!」
「そんなことよりお前、手を動かせ」
この説明が正しいか分かりません。つまり私の直感。
で、さらに三相で使う場合の37.5kVAですから、単相だと37.5/√3で21.6kVAまで落ちてしまいます。
「先輩!なんかいきなりルート3が出てきたけど??なんでっすか!?」
「なんかベクトルが角速度で何とかなんだよ、・・・しらんけど」
「先輩やっぱアタマいっすねー!」
「そんなことよりお前、手を動かせ」
三相で使う場合もモーターなどを繋ぐと始動電流も考えなくてはなりませんからいずれにしても悩みどころです。
容量以外にも発電機の電圧波形が元々悪かったり、接続する機器の入・切で発電機側の周波数や電圧に変動があると相手の機器が壊れることが大いにあります。
今時の発電機の制御は優秀ですが、かつては電子機器を使うと皆壊れてしまいました。
色々考えることが多いですが、一番大事なことは、接続機器の最大負荷がトータルでどのくらいになるかで、単純に機器の定格電力を足していくと膨大な容量になりますから、同時使用の有無や、待機電力、冷蔵庫や温水器ならどのくらいの頻度でヒーターやコンプレッサーが動いているかなど、そこをどう考えるかになります。これは発電機に限ったことではなく電気の契約容量も同じことで、例えば真冬の氷点下の朝一、暖房機器のすべての電源を同時に入れれば皆最大負荷になり、メインのブレーカーが落ちてしまうことでしょう。
そんなこんな考えていると、病院のような信頼性が重要な医療機器ばかりの現場では、いつの間にか安全寄りになってきて発電機がどんどん大きくなってしまいます。だって発電機の不具合で医療機器が壊れたら命にかかわるかもしれませんから。
設置後は全ての発電機の電圧調整と事前チェックを行います。
ところで家の電気と違い、発電機って負荷が掛かると明らかに音が変わります。
普段わからない電気の流れを感じた今日この頃です。
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